京都府の北部、丹後エリアに位置する、日本三景「天橋立」。
その天橋立を有する宮津湾を眺める絶好のロケーションにあるグランドーム京都天橋立は、2018年7月にオープンしたばかりの新しいグランピング施設です。
すぐそばには清らかなせせらぎの世屋川が流れ、小鳥のさえずりや虫の鳴き声、また木々の葉が擦れあう音などを、すぐ近くに感じることができます。
関西のグランピング施設の中には、冬季営業されていないところもありますが、ここ『グランドーム京都天橋立』は、四季を通じて楽しめる工夫や楽しさがいっぱい!
厳寒の2月に家族でお泊まりグランピングを体験してきましたので、ぜひ参考にしてください。
目次
「かまくら」みたい!なドーム型テント
子供のころ、「かまくら」の中で過ごしてみたい!そう思ったことありませんか?
『グランドーム京都天橋立』の白くて丸いドーム型テントは、まるでその夢をかなえたような「かまくら」みたいな外観。あたりが暗くなってテントに明かりが灯り、山のふもとにぼんやりと並ぶその光景はとても幻想的です。
私たちが泊まったスタンダードタイプのテントは、宮津湾を見下ろす位置にあり、テントの海側に透明な素材を使用しているので、景色の移り変わりを大パノラマで楽しむことができます。
広場の向かい側にはスタンダードタイプより少し小さな「フォレストビュー」があります。背面の山側に透明な素材を使用し、自然豊かなその風景をライトアップする雰囲気のある造りになっていて、まるで森の中で眠るように、木々のざわめきや優しい木漏れ日を感じることができる造りです。
透明な素材といっても、外から丸見えではありません。ちゃんとカーテンが付いていますよ。
開放感たっぷり!
テントの中は、幅7m、高さ4.3mの大空間。天井が高い!
見上げると天井の中心部にも透明な素材が使われていて、寝転んで空を見上げると、なんともいえない開放的な気分になります。丸い小窓もいくつかついていて、アルプスの少女ハイジの部屋みたい。ベッドもふかふか!
ハイジのわらのベッドもこんな感じかなー、ハイジの暮らしにあこがれていた子供のころに戻ったような(笑)、そんな心地良さでした。
また、テントは2重構造になっていて、優れた断熱性があり、外気温の影響を受けにくいのが特長だそう。たしかに、エアコンの効きも良くテントの中はポカポカ。しかも、こたつまでセットされていたので、寒さを気にせず過ごすことができました。
あたたかい飲み物のサービスも!
テントの中には電気ポットがあり、パックのコーヒー、紅茶、緑茶がセットしてあるので温かい飲み物を飲むことができます。カフェオレもあればよかったなー。
お水は備え付けの冷蔵庫の中にありましたが、キャンプ場フィールド内に自動販売機が無いので、冷たい飲み物はあらかじめ「グランドーム管理棟」などで準備されることをおすすめします。
広くて清潔なトイレとシャワールーム、貸切家族風呂も完備!
キャンプ場フィールド内のトイレは土足禁止なのでとても清潔。子供も一緒に入れる十分なスペースがあるので安心です。温水のシャワールームはシャンプー、コンディショナー、ボディソープなどアメニティーも充実。
フェイスタオル・バスタオル・ハミガキセットはもちろん、ドライヤー、ナイトウエアの用意もあり、まさにホテル並みのサービスです。
また「グランドーム管理棟」には、貸切で利用できる赤湯の天然温泉があり、小さなお子様も一緒にのんびりと楽しめます。
・時間 7:00~23:00(22:00入浴最終)
・価格 40分単位(4,000円)
・定員 6名
寒い冬にピッタリ!親子で楽しむなら冬期限定のプランがおすすめ!
食事をするドームテント横の専用デッキスペースは防風対策もバッチリ。まるで小さな山小屋のようです。ファンヒーターもありましたが、薪ストーブに火がつくとすぐに小屋全体が暖かくなり、ファンヒーターを使ったのは最初だけでした。
冬季限定の「薪焼き×藁焼き」プランは、デッキスペースにある薪ストーブで調理しながら食べるプラン。最初は「調理するのは面倒だなぁ」と思っていたのですが、これが思いのほか楽しかった!
食器類、包丁、まな板はテント内の食器棚に揃っていますし、食材、調味料、調理器具はすべてセットになって届くので、何も用意する必要はありません。あと、ウェットティッシュがあれば万全かな。そして何より、子供と一緒に楽しめるのがいい!
我が家の場合は、夫が薪ストーブの火の管理、私と息子が調理を担当
薪ストーブを扱うのは初めてで少々戸惑いましたが、スタッフの方がアドバイスしてくださり、すぐに順調に燃えだしました。
さぁ、いよいよ調理開始です。
分かりやすい調理手順マニュアルで初心者も安心!
「薪焼き×藁焼き」プランのメニューは9品。
・農園野菜のホイル焼き
・ブリのわら焼き 燻製醤油、燻製塩をのせて
・薪ごはん ・鳥のわら焼き ・薪ローストビーフ ・薪焼きカレー
・薪ストーブピザ ・じゃがバター ・燻製アイス
写真付きで手順を説明したものが用意されているので、それにそって進めます。
まず、お米を研ぐところから。普段はあまり手伝いをしない息子も楽しそう。
キャンプ場フィールド内のキッチンスペースでお米を研いで水加減をし、デッキスペースに運んだら、薪ストーブに乗せます。薪ストーブの仕組みをよく理解していなかった私は「え?ここで炊けるの?」と驚きましたが、ストーブはとても高温になっているんですね。くれぐれも、お子様が近づかないように気をつけてあげてください。
あとは炊けるのを待つだけ。鍋でご飯を炊くのは初めてなので、ちゃんと炊けるか心配ですが、フタは開けずにじっと我慢です。
ご飯を炊くその横で、カレーを作ります。具材はすべてカットされたものが届くので、皮をむいたり切ったりする必要はありません。軽く炒めたあとは、ご飯が炊きあがるのを待ちながらぐつぐつ煮込みます。
農園で穫れた野菜たちは、アルミホイルに包んでストーブの中へ。
絶品!ブリのわら焼き!
それぞれ出来上がるまで少し時間がかかるので、その間に「ブリのわら焼き」「鳥のわら焼き」「薪ローストビーフ」を作ります。
“作る”と言ってもブリと鶏肉は焼くだけ、ローストビーフに至っては温めるだけの簡単調理。
ただ、ここであれもこれもとやりすぎると慌ただしくて大変なので、ひとつずつゆっくり進めていくのがいいと思います。我が家は、ブリとローストビーフに夢中になりすぎて、鶏肉を少し焦がしてしまったので…。
「ブリのわら焼き」は、串を刺したブリのサクを、ストーブにわらを追加しその炎で炙ります。カツオのたたきの要領ですね。ブリは生でも食べられる新鮮なもの。なので、あまり火を通し過ぎないほうが良さそうだなと思い、我が家はサッとかるく炙ってまわりに焦げ目がつく程度にしました。
ブリを切るのは息子の担当。かなり厚切りです(笑)。それを、燻製醤油、燻製塩などで頂きます。
ほんのりと香ばしいわらの香りと、肉厚でしっとりまったりとした食感。風味のある燻製醤油がよく合います。うまいうまいとパクつく息子。あっという間になくなってしまいました。
ローストビーフは、薪ストーブの上部についているオーブンで加熱します。このオーブン、煙突の途中についていて、排煙熱を利用しているのだそう。薪ストーブっておもしろいですね。うちにも欲しくなりました。
オーブンで温めて旨みを凝縮したら、肉汁が流れ出ないように少し冷ましてから切ります。またしても厚切り。(笑)
でも、厚切りにしてもやわらかく、肉の旨みが濃厚で、調味料なしでも食べられるほど。
実は食べきれずに残してしまい、もったいないと思って次の朝にも食べたのですが、味が落ちることはなく美味しくいただくことができました。
ちょっと散歩に出でみました
どの品もなかなかのボリュームで、カレーを食べ終わる頃にはお腹いっぱい。
でもまだピザがあるので、少しお腹をすかせるために散歩に出てみました。
キャンプ場フィールドのすぐ横はマリントピア・ザ・スイートという、ヴィラに宿泊するタイプのグランピング施設があります。
プールを備えたプライベートガーデン付きのヴィラが立ち並ぶその風景は、高級リゾートのおもむき。ライトアップされた建物や庭は美しく、見上げれば満天の星空。キンと澄んだ冬の空気が肌に心地よく、静かな夜の散歩が楽しめました。
キャンプ場フィールド内も、冬季ということで利用者はさほど多くはなく、とても落ち着いた雰囲気。夏のグランピングの華やかさも良いですが、ゆっくりゆったり過ごせる冬のグランピングも魅力的だな、と実感したひとときでした。
そして、いよいよピザ作り♪
といっても作業はカンタン。丸く成型されたピザ生地の上に、トマトソースをたっぷり塗って、チーズとバジルをトッピング。この塗ったりのせたりは、小さなお子様もできるので、ぜひ一緒に楽しみたいところ。
オーブンの温度調整が少し必要ですが、薪を少し足せばすぐに温度は上がりますし、オーブン内に温度計が置いてあるので、初心者の私たちでも簡単にできました。
ピザはすぐに焼けるので食べ頃を見逃さないように要注意です。
我が家は、ちょっと焼きすぎたかなと思ったけど、生地が香ばしくカリッと仕上がったのがまた美味しくて、お腹いっぱいだったはすなのに、ペロリと食べてしまいました。
最後はデザートの燻製アイス。燻製の香りがついて風味豊かではありますが、息子にはイマイチ、ウケが悪かった。燻した香りが鼻をついて苦みを少し感じたみたいです。
大人はもちろん、おいしくいただきましたよ。燻製アイスは、大人のためのデザートなのかな。ごちそうさまでした!
朝食もみんなで作ろう!
朝食はホットサンド。カセットコンロ、ホットサンドメーカーから、パンやサンドする食材、サラダ、ドリンクまで、セット一式が届きます。
ピザソースに数種類のチーズを挟んでピザ風にしたり、たまご、ハム、ツナ、チキンなど豊富な具材の中から、好きなものを組み合わせたり。ホットサンドメーカーに挟んだら、あとは焼くだけ。
朝はあまりたくさん食べない息子も、あれもこれもと選んで挟んで楽しそう。
朝からわいわい、とても賑やかな朝になりました。
家族の記念日に、最高のサプライズを
予約をしておくと「お祝いケーキ」も用意してもらえるんだそうです。次は何かの記念日に利用するのもいいな。
家族の最高の笑顔と、おいしいお料理。忘れられない思い出になりますよね。
自然がいっぱい!海へ!山へ!
四季を通じて家族で楽しめるグランドーム天橋立は、まさに体験型のグランピング。
今回は宿泊と食事だけでしたが、次に利用する時の参考にといろいろ調べてみましたので、紹介させていただきます。
家族でいろいろ楽しめそうですよ。
【春】「いちご狩り」※1月中旬~4月下旬ごろまで
施設自慢のいちごハウスで、いちご狩りが楽しめます。冬にはハウスいっぱいに赤くてかわいいいちごが実をつけ、なんと!高級品種として人気の「雪兎」と「桃薫」も食べることができるそうです!
【夏】「川遊び」&「海水浴」
グランドームのすぐ横を流れる世屋川には、とてもきれいで天然の鮎やモクズガニが生息しています。
水位が浅いので小さいお子様がいるご家族でも安心して遊べます。
また、徒歩10分の小松浜海水浴場は、人が少なくまるでプライベートビーチのよう。透明度は抜群!きれいな海で泳ぐのもいいですし、海を眺めながらビーチでゆったりくつろぐのも贅沢ですね。
ただし、くれぐれもお子様から目を離さないでくださいね。海にはいるときはもちろん、川で遊ぶ時も、子供用のライフジャケットの装着を忘れずに。
【秋】「サツマイモ掘り」&「焼きいも作り」
隣接の農園ではサツマイモの収穫体験もできます。
収穫したさつまいもは、アルミホイルで包んでキャンプファイヤーの炎の中へ。
ワイルドな食べ方は、アウトドアならではの楽しみです。
【冬】雪山で「ソリ遊び」
京都丹後は、たくさん雪が降ることがあります。雪が積もれば雪遊びのチャンス!
寒いからといってテントにこもっているのはもったいない!遊んで体を動かせば、ぽかぽかになりますよ。
日置東第2公園
グランドーム京都天橋立のとなりには公園があります。十分な広さがあり、遊具もあるのでお子様連れでのお散歩にぴったりです。
周辺エリアの観光を楽しもう!
グランドーム京都天橋立の周辺には、様々な観光地があります。少し車を走らせれば行ける距離なので、ぜひ立ち寄ってみたいですね。
日本三景 天橋立
レンタサイクルで松並木を走るのもよし、観光船でかもめにえさをあげるのもよし。
夏場は海水浴もできます。
また、NHKの子供番組「ピタゴラスイッチ」のあるコーナーで紹介されている「廻旋橋(かいせんきょう)」がありますので、お子様と一緒に見に行ってみませんか?
傘松公園
天橋立を見下ろす高台にあり、ケーブルカーやリフトで登ります。これも子供たちのワクワクポイントですね。上まで登ったらぜひ、天橋立の「またのぞき」をしてみてください。どんな風景に出会えるか楽しみですね。
伊根の舟屋
独特の構造を持つ建築物で重要伝統的建造物群保存地区に指定されています。
NHKの朝ドラや映画「釣りバカ日誌」のロケ地になったことでも有名です。テレビ番組「ザ!鉄腕!DASH!!」のDASH村にも建てられましたね。一見の価値ありですよ。
天橋立ビューランド
天橋立を渡った対岸にあります。「ゴーカート」や「サイクルカー」「観覧車」など、小さなお子様が楽しめる遊具が揃っています。
まとめ
グランピングの知識がほとんどなかった私は、ホテル並みのサービスがウリとはいえキャンプはキャンプ、ましてや寒さ厳しい京都の丹後エリアの施設ということで、それなりの覚悟をして行ったのですが、拍子抜けするぐらい快適!とても有意義な時間を過ごすことができました。
自分たちの手で調理しながら食事ができたのも良かったです。とても楽しい経験でした。
特にお子様がいるご家庭には、ぜひおすすめしたい。旅は子供を成長させる。「旅育」という言葉があるくらいです。家族の距離がグッと近づくこと間違いなしです。